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ケミカルアンカー

ケミカルアンカーの基本

ケミカルアンカーは、日本デコラックス社の商品名で、旭化成製品はケミカルセッター、前田工繊の商品名はボルトメイトと言います。

正式には接着系アンカーや薬品アンカーとも言われますが、業界ではケミカルアンカーという呼ばれ方が一般的です。

用途は基礎の固定や、建築関係の柱等の固定、機械据付時の固定などに用います。使用方法を簡単に説明すると、穴を開けたコンクリートに、あらかじめガラスに入ったケミカルアンカー容器を入れ、先端をななめに切断し先を鋭利にした全ねじボルトによってこのガラス容器を破壊し、中の硬化剤と樹脂を攪拌し化学反応によって硬化させ固めます。

ケミカルアンカーの施工方法

ケミカルアンカー

ハンマードリルに、埋設するボルト径に応じたケミカルアンカーのドリル系を選定し取り付けます。コンクリートなどの母材に穿孔し規定の深さまで穴を開けます。このとき、必ず規定のドリル径を使用してください。間違ったドリル径を選択したり深さをいい加減に施工すると適切な強度が得られません。

空いた穴をきれいに清掃します。ブロアや掃除機を使って穴をあけたコンクリートの内部ゴミや破片等をきれいに除去後ケミカルアンカーを挿入します。先端45°またはVカットに切断した寸切りボルトや異形棒鋼を電動ハンマードリル等に装着し、規定の深さにマーキングを入れておきます。ハンマードリルを回転・打撃させ、カプセルを破砕・混合しながら必ず穴の底まで埋め込みます。マーキングが施工面 に達したら直ちにハンマードリルを停止し、ボルトから外して下さい。

硬化時間はカタログ等に記載されていますので、参考にしてください。特に冬場など寒い環境下では硬化しにくいようですので注意してください。また、設置した機械等の固定穴へ直接施工する場合は、硬化時間経過後に必ず増し締めをしましょう。生産ラインなどの可動機械において基準線やセンターラインがある場合は、振動によってナットが緩まないようにダブルナットにすることをお勧めします。

ケミカルアンカーの保存方法

ケミカルアンカーは、冷暗所に保存し、使用するときは必ず使用期限を確認してください。使用期限を過ぎたもは、樹脂が固まらず適切な強度が得られません。

ワンポイントアドバイス

以前、私が公共施設である山奥のダムの手すり工事をした際に、使用期限を過ぎてしまったケミカルアンカーを現場に持ってきてしまい、施工したケミカルアンカーが全く固まらず、市街地の販売店までの遠い道のりを何時間もかけて買いに走った苦い経験があります。

ケミカルアンカーは、在庫を抱えずに使用する日に備えて購入するようにしましょう。

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